【クトウテンコラム】なんでも屋さんが今の自分には宝。
- 2016/05/08
- 17:34
あと1カ月弱で
クトウテンも5年目に入るという
GWがおわる五月初旬。
どの街にも
「あのお店入ったことないけど
結構ずっとあるよね」
と感じる存在があると思いますが
弊店もそれに洩れることなく、
どちらかといえば
「あのお店成り立ってるのフシギだわ」
と思われている方だと
自認しております。
「あづま通りで商売続けられたら
どこ行ってもやっていける」
「高円寺でこの価格帯、
そしてこの雰囲気珍しいね」
さまざま貴重なお声を頂戴し
おそるおそるの丸四年。

new!
鮮やかで落ち着きのある
コルトレイクリネン100の大判ストール
しなやかで微かなシャリハリ感
夏のバッグに忍ばせておくと重宝する一枚
気がつけば
セレクトショップ店主としての
人生を
丸四年歩んできたことになるのですね。
自分としては
とても不思議な感覚、
ちょっと他人事のような。
ずーっと、
自分のやりたいことが見つからなかった人生。
小学、中学、高校と
卒業文集に「将来の夢」を書かされるのが
苦痛でたまらなかった人生。
思考が現実的すぎて
夢見ることをあまりしなかった
子供時代。
きっと
平凡に大学卒業して
平凡に就職して
平凡に結婚して
平凡に死んでいくのだ・・・
と思っていたはずが。
人生で初めてレールを踏み外したと
強く想った24歳の夏。
大学卒業後、約2年半でアパレル会社を退職してからの
その後・・・
半月程の母との海外旅行で
英語力の無さに悲しくなり
そんな動機だけで
全日制の英会話学校へ。

new!
ビッグシルエットのホワイトシャツは
Vlas Blommeさん特有の
ラウンドラインの前立てが印象的
ノーカラーですっきりと。
ユニセックスで。
銀座のとあるレストランでバイトして
通常バイトがあまり担当しない
お客さまの前でのワイン開けや
前菜の盛り付けをさせてもらったり、
ちょっとした
クローク経験もさせていただいて。
大学時代は
有楽町のカフェで朝から夜遅くまでバイト。
厨房もレジもフロアも
すべてが貴重な経験。
お客さまの7割がギフト需要の
雑貨屋さんでは
貴重なラッピング技術を吸収させてもらい、
その時は自分に包めないものはないと
自負するくらいに
ラッピングが好きになり。
だから
後に就職したアパレルの販売職で
デパート内の店舗配属になった時も
お包みの基本研修が
ほとんど不要だった
可愛げのない新人でした(苦笑)。
英会話学校に1年半程通った後、
ふと
「要英語力、外国特許事務」
という新聞の求人広告が目に入り
大した英語力も付いていないのに
(更に言えば、特許事務ってなに?という状態で)
身の程知らずの応募。
当然のことながら不採用。
だけど神様はいた!
この身の程知らずのトライが功を奏し、
人生初の
事務経験がスタート。
特許事務では不採用も
総務・経理の人間が偶然辞めることになったことで
なぜか面接官の目に留まっていたらしい
事務経験ゼロの私に
チャンス到来。
結局は
これがきっかけで
総務・経理事務に加えて
国内・海外の特許商標事務という
専門事務を習得させていただき、
さらに言えば
word, excelから始まる
PC基礎を
感謝しきれないくらい
吸収させていただきました。
(当時、手取り足取りご教授下さった
同じ年の先輩男性には感謝しきれません)
事務職時代、
だ~れもやりたがらないのを
不思議に思いながら
率先してこなしていた
年賀状や海外へのグリーティングカード製作。
事務所移転の際は
素人なのに図面を引いて
新事務所のレイアウト作製に什器発注。
なんでも屋さんをしていたのが
懐かしいですが
このなんでも屋さんが
今の自分には宝です。

お気に入りのアンティーク什器
今はなき吉祥寺ミヤケジュビリーさんにて
ちょっと思いきって購入した思い出も今は懐かしい…
書き連ねてきたこと以外にも
色々してきましたが
どれもこれも
結局は実になって。
無駄なことなどひとつもなく。
綺麗事ではなくて
本当にそう思います。
最近、
「私もお店をしたいんです」
とか
「どうしたらいいでしょう」
といったお声を
頂戴することがあります。
弊店など
未だに超極小店で
そんなお声に偉そうに言えることは
なかなか見当たらないのですが…
私のように
幼少時から強い想いを持っていなかったような人間でも
なんとかやっている、
だからあなたも大丈夫!
などと
軽い言葉は掛けたくない、
です。
やはり
幼少時から強烈な想いの元に
それをエネルギーにして
成功されている方々は
たくさんいらっしゃいますし
そのくらいの想いがないと
成功率は低くなると思います。
ただ、
クトウテンは
将来店舗を増やしたいとか
億万長者になるのだーなどという
野望はほぼなく、
おばあちゃんになっても
「クトウテンのおばあちゃん」
として
生きていられればいいな、
愉しいことができるくらいに
オイシイものが食べられるくらいに
生活できたらいいな、
というかんじです。
だから
こんな極小店を目指しているのでなければ
もっと強いエネルギーで
がんばってください。
万が一、
こんな極小店をやりたいのであれば
今おかれている状況や立場で
めいっぱい
やれることはやる、という
ことでしょうか。
なんでも屋さんになれないタイプの人は
ひとり自営をするのが
難しいかも?
とは思います。
何から何まで
自分がやらなければ、動かさなければ
何一つ状況は変わらない。
だから
友達との旅行は自分でプランを練りたいタイプだ
とか
ついついこうしてみようか、とやってみたくなる
家にいるとついお掃除や片づけをしている
など
人に言われたりしなくても
気づくと動いちゃってるような方は
わりあいと向いている気がします。
あたりまえですが
お店の電球ひとつ変えるのも
お金の細かい計算するのも
ゴミ捨てするのも
発注して品出しして陳列するのも
ブログやツイッター発信するのも
全て自分。
もしひとりで自営されるのなら
それを想像してみてください♪
そして
最後は思いきれる度胸でしょうか?

失礼いたしました。
ちょっと長くなりました。
まだまだ5年目突入しようというところ、
20年、30年、50年されている
大先輩の足元には遠く及びませんが
私にとっては
結構なキセキです。
毎日毎日、
ありがたいと想える日々、
逢えて嬉しいと想える方々との繋がり、
自分がいいと思って
皆さまに勧めたいと思うものを勧められる幸せ、
お仕事だからと言い訳しながら
好きなお洋服や靴を履いて
イイ!と思ったアンティークを揃えたり。
自己表現できる場を持てる有難さに
身震いすることもあります。
正直なところ、
辛い現実に
潰されそうになることも多々あれど、
皆さまに支えられて
今があります。
本当に
心の底から感謝しています。
これからも
続けられるだけ
クトウテンしてゆくのが
今の私の夢。
生きてきて初めての
夢
(願い)
かもしれません。
